「工場は現金を置いていないので泥棒に入られない」
「工場には盗まれるようなものがないから大丈夫」
と考えている経営者もまだまだ多いようですが、
平成22年度「工場荒し」は1,248件、
「事務所荒し」は14,796件発生しています。
最近の窃盗犯が狙う物は現金だけでなく、
パソコンなど什器備品(中古市場で売れる)、
金属配線・薬品(高値で売れる)など狙われるものが変わってきています。
また、平成20年、中国産ぎょうざの毒物混入等、
食の安全問題においては、“どこで混入されたか”ということで、
工場、倉庫、店舗など、製造・流通・販売のあらゆる場所で捜査が入るなど、
どのように管理しているかが厳しく問われるようになっています。
その他放火、異物混入、新商品機密漏えいなどのリスクもあり、
工場に不法侵入されると窃盗被害に留まらず、多くの企業リスクが発生します。
●工場内での盗難(商品、原材料品、仕掛品、什器備品、新商品情報、個人情報、現金)
原材料の盗難に関しては特に注意が必要で、原材料の中には燃えやすいものや毒物となるものなどもあり盗まれた原材料が別の犯罪に悪用される可能性もあります。
●工場敷地内での窃盗(金属などの盗難)
平成18年度頃より急増。廃棄した金属板、廃材、線材などが盗まれ換金されています。
屋外に野積みされたままのものも多く狙われています。
●工場内のパソコン盗難
パソコンの中にある提携先から提供された商品の機密データや個人情報などが一緒に盗まれ営業停止になったり賠償請求の対象になったり信用失墜を起こし、最悪の場合には取引停止となります。
●放火
工場などは燃えやすい原材料や商品などもあり最も注意が必要です。
一度燃えると、有害物質が発生し、地域住民に大きな迷惑がかかることもあります。
●たばこの不始末などの火災
工場内は禁煙のところがほとんどですが、火災対策は徹底する必要があります。
古い木造の建物やゴミ箱、工場関連では、廃タイヤ、産業廃棄物、中古自動車(ガソリンやオイルが残っている)など、悪戯や熱気による自然発火で大きな火災を起こした例があります。
●異物混入
原材料や仕掛品、商品への異物混入は企業にとって致命傷になります。
泥棒の腹いせの場合もありますが、悪意を持って異物混入が目的の侵入もあり注意が必要です。
●生産ライン停止
不審者が機材を破壊したり、機器が故障することで生産ラインが止まると大きな損害になります。
●機密情報漏洩
新商品情報など企業機密情報が盗まれたり漏洩する被害があります。
●駐車場での犯罪(車上ねらい)
従業員、来客の乗用車の車上ねらいや自動車盗難。特に乗用車内のノートパソコンが盗まれ、その中に個人情報などが含まれると信用失墜につながります。
●トラック、自動車の盗難、いたずら
駐車場にとめている間の自動車盗難が多発しています。
自動車やトラックのナンバープレートやミラーなどを盗まれるケースも多発しています。
●洪水、漏水
異常気象や漏水事故などで工場内に水が入った場合には大きな被害となります。
●敷地内に不審者が入れないようにする。
そのためには、塀やフェンスなどで領域を明確にして不審者の接近を制御する物理的な防御が必要です。
塀は反面死角を作ることにもなるため建物との距離など配慮が必要です。
但し、塀やフェンスはあくまで善意の第三者や子供が敷地内に入るのを防ぐためのものです。
不審者の侵入防止のためには、赤外線センサーや感圧センサー、フェンスセンサーといった
侵入検知センサーを設置し、塀やフェンスを乗り越えようとする不審者をすぐに検知し
守衛室に知らせるとともにベルやサイレンで威嚇撃退するということが大切です。
●広域な敷地の場合、死角をなくすために防犯監視カメラを設置し、
その映像を守衛室などで集中監視・自動録画する。
侵入検知センサーと連動させ、侵入者を検知した時の映像を確認するといった方法も取れます。
最近は暗闇や逆光でも鮮明な画像で監視できる防犯監視カメラや、侵入検知センサー、
人感ライトと連動した防犯監視カメラもあります。
● 工場への正門では人による入門管理や、インターホンと防犯監視カメラとでの入門管理を行う。
来客はその時点で把握します。
●建物への入館には生体認証の入退出管理システムを導入し、カードやテンキー、
指紋、網膜など制限の重要度に応じて採用し、あらかじめ認めた社員だけが入室できるようにする。
いつ入室していつ退室したかを記録します。
●コンピュータ室や新商品開発室、原材料倉庫などはより厳重に、入退出管理システムと連動して
防犯監視カメラで画像録画をする。
データや薬品などの持ち去り防止などを目的とします。
●事務所には窓・扉の開閉を検知するセンサー、立体室内侵入検知センサー(パッシブセンサー)、
ガラス破壊検知センサーなどを設置し、夜間や休日の侵入者を検知し、守衛室や警備会社、
管理者へ自動通報するとともに、その場で音と光で威嚇撃退する。
●放火対策としては、屋外に燃えるようなものを放置しないということを徹底するとともに、
屋外・屋内ともに炎センサーなどを設置して、異常発生時には守衛室に連絡が入り、
防犯監視カメラで画像確認できるようにする。
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