メディア紹介
セキュリティシステムで「快適創造」1993.2.20 セキュリティ産業新聞
セキュリティシステムで「快適創造」
裾野拡大へ地元密着政策
日本で最初で最大のセキュリティシステム専門チェーンである「セキュリティハウス」が、日本全国で加盟企業73社を数えるまでに成長した。侵入検知、火災報知、カメラ監視、出入管理などを中心に様々なトータル・セキュリティシステムを設計・施工する全国チェーン組織で、その本部気候は㈱セキュリティハウス・センターである。同社は、「安全のない安心は最も危険である。安全のある安心は最も快適である。」をコンセプトに、一般家庭から店舗、オフィス、工場など広くセキュリティシステムを普及させ「快適創造」を目指している。
ローカルセキュリティマーケット中心に スケールメリットを生かす
昭和59年6月、東京 荻窪にセキュリティハウス都ウキョウが設立された。これは、セキュリティ機器及びそのシステムを、エンドユーザーに直接販売するというノウハウを蓄積するための「パイロットショップであった。情報を収集し、エンドユーザーのニーズを把握する事に努め、一年半後の昭和59年1月にはこれを発展的解消させて㈱セキュリティハウス・センターと商号変更した。
これを機にセキュリティハウスのチェーン店の本部機能を持つようになり、全国展開をスタートさせたのである。
当時、日本の一般家庭におけるセキュリティ意識はまだ薄く、同社のターゲットも年収一千万以上の家庭というようにまだまだ特定階層を中心としたものであり、全国都道府県に数社といった展開であった。
しかし、その後、大手家電メーカーが次々と参入したHAの中にセキュリティの部分が含まれていたことや、老人社会の進行、独居老人問題、またコンビニエンス強盗の多発など社会情勢が変化するに従って、セキュリティ意識も一般に高まりを見せるようになった。セキュリティ市場の裾野が広がっていったのである。こうしたッ変化とともに、セキュリティハウスも、線展開から面展開へと移り、小商圏での活動が可能になってきた。
セキュリティハウスのチェーンに加盟する会社は、主に電気工事店や通信関係の会社である。加盟企業では、統一した「セキュリティハウス」のロゴを大きな電飾看板にし、常夜灯のように夜間でも目立つようにした。暗い夜道を歩いていて、交番の赤井常夜灯に出会うと心理的にホッとする・・こうした安心館を与えるのが一つの目的であったが、またこの電飾看板によって知名度を高め、地元により強く密着していこうという考えであった。
セキュリティハウスは、ハードの選択などのプランニングからシステム設計、施工、、保守点検、そしてアフターサービスまで一貫した体制を採っているのが特長で、それが顧客密着、地元密着につながっている。設立当初は個人住宅へのセキュリティシステムの販売が第一の目的であったが、次第に店舗へ、事務所へ、工場へ、ビルへとビジネスが拡大することとなった。
セキュリティハウス加盟会社も、インテリジェントビスシステムが中心の会社、老人ホームへの各種システム納入が多い会社、通信関係に強い、あるいは電気関係に強いというように、様々なタイプのセキュリティハウスが全国に点在するようになってっきた。こうしたいろいろな分野のノウハウや情報が、本部機能としてのセキュリティハウス・センターに集まり、これが各加盟会社へフィールドバックされてセキュリティハウス全体のレベルアップにつながっている。
駐輪場出入管理システムなどニュービジネスにも意欲
セキュリティハウス・センターでは工事関係、営業関係などの研修マニュアルをつくっている。営業活動、施設工事などの基準、技術の統一、考え方、取り組み姿勢などを同じレベルにして、顧客の満足を得ようというわけである。同社はこれをさらに細分化して、例えばビル管理、カメラ、出入管理などシステム及び技術レベル別に個別の研修マニュアルをつくり、これに沿ってよりきめ細かいサービスを行って行こうという方針である。
また、セキュリティハウスそれぞれの前身が工事主体の会社であっただけに、どうしても「待ち」の姿勢になってしまいがちなところから、営業マンを育てて「攻め」の経営に取り組んでいこうという計画も、営業研修等を行いながら進められているところである。
セキュリティハウスの業務の切り口はセキュリティである。しかしセキュリティだけに終わらずに、そこからもっと広がりを持たせてトータルバリュウの販売をしていこうというのがセキュリティハウス・センターの考えである。セキュリティというものを、単に防犯や防災だけでなく、もっと大きく捉えていこうというわけである。
例えば、富士火災海上保険と提携してつくった「セキュリティハウス保険」である。センサは人の侵入は検知するが、それを捕えるものではなくあくまで警報器としての機能を持つだけである。セキュリティシステムを設置しても、スイッチの入れ忘れもあるだろう。そうした万一の場合のための保険である、セキュリティのプロが設計・施工したセキュリティシステムが施されていれば盗難の発生率も低くなるだろうというわけで、料率も低く抑えられている全国で唯一の保険である。
今具体化しつつあるのが、駐輪場出入管理システムである。放置自転車公害や自転車盗難は現在社会問題になっている。この問題を解決し、またそうすることによって、よろ地元に密着していくことにもなるというわけである。
セキュリティハウス・センターでは、全国を5つのブロックに分け、三か月に一度ずつブロック会議を開き、また一年に一度は全国のセキュリティハウス総会を行っている。この場でセキュリティハウス全体の方向性を定め、確認し、コミュニケーションを密にして、パワーアップを図っている。
セキュリティハウスの存在感を世の中に広めていきたいという共通の目標のもとに、セキュリティハウスグループは、セキュリティマーケットのパイオニアを目指している。
個人住宅からビルまで 3つの基本提案パターン
セキュリティハウスは、個人住宅から店舗、事務所、工場、ビルなど様々な場に合せたセキュリティシステムを企画、提案、施工しているが、その基本的パターンとして「マザーズ」「ファザーズ」「ウィズダム」を提案している。
「マザーズ」は個人住宅向けのセキュリティシステムで、母親が大切な我が子を身をもって守るように大切な家族の生命を守るために犯罪が起こりにくい環境を各種セキュリティシステムで作りあげたシステムで、各家庭ごとに異なる住宅状況、家族構成、間取り、ユーザーの要望等に応じて作成するオーダーメイドシステムであることが特徴。
例えば敷地周辺には屋外用赤外線センサ、玄関にはカードスイッチやパッシブセンサー、キッチンには火災検知器、ガス検知器、車庫や庭には人感ライト、窓やドアにはマグネットスイッチ、そしてコントローラやセキュリティテレホンといった具合である。そして富士火災海上保険との提携によるセキュリティハウス保険で、万が一の火災や盗難事故に対しても化剤及び現金に対し、補償を付けている。
「ファザーズ」は商店や事業所などに対するストアセキュリティシステムである。
店内監視、店内状況把握、出入管理、防災などのシステムから静止画等による遠隔監視システムまで、様々なセキュリティ機器であらゆるセキュリティとマネジメント(店舗管理)に対応しようというものである。これにもセキュリティハウス保険により、什器備品・商品・営業用現金について火災や盗難・落雷等万日の事故による保証をつけている。
また「ウィズダム」は、建物のインテリジェント化・快適化のためのインテグレートシステム。これは、セキュリティシステム、ビルオートメーションシステム、オフィスオートメーションシステム&コミュニケーションシステムの3つの軸にして、そこに個々のシステムを連動させて、ビルの有効利用、快適環境づくりを提案するものである。ユーザーや設計会社等との打合せからシステム提案・施工・アフターメンテナンスまでをすべて実施する。
ファンづくりを 岡崎 友亮社長に聞く
・・・岡崎社長は、セキュリティハウスをどのように育てていきたいと考えているのですか?
岡崎 セキュリティハウスは当初18社でスタートしましたが、今では73社にまで大きくなっています。組織が広がれば広がるほど、加盟社の皆さんと同じ思想を共有化すると共にセキュリティシステム専門企業としてのイメージゴールの統一を図っていきたいと思っています。目先の利益を追いかけるのではなく、何年か先の話を、皆さんと一緒に語り合えるようにしていきたい。もちろん商売ですから、儲けることも大事ですが、次の代につながるような経営ができるようにしていきたい。そのためには、セキュリティハウスは、ハードだけでなく、ソフトウェアを含むトータルバリュウを提供していきます。ネットワークとしての特長を最大の武器として新しい付加価値をつけたサービスの提供を行って行きたいと考えています。
岡崎 チェーンというのは小さな鎖の輪のつながりですね。一つ一つの鎖の輪は小さくとも、集まると大きな輪になります。その一つ一つの小さな輪が、お客様に確実に指示されるようなセキュリティハウスになっていけば、チェーンも強力なものになります。スケールメリットが生かせるわけです。
それには、地域地域の中でセキュリティハウスフフォンをいかにたくさんつくっていくかです。お客様から「セキュリティハウスにまかせよう」と思われるッ企業・人となることです。企業はもちろんのこと従業員一人一人がセキュリティのプロとして自覚を持ちお客様に信頼されることです。そして地域に密着していくことが大切です。
・・・地域密着していくにはどのようにしなければなりませんか?
岡崎 個人家庭にセキュリティシステムを設置するにはそのお宅に入らなければなりません。そうするとお客様宅の間取りがわかり、家族構成がわかり、その他いろいろなプライバシーに関することがわかります。だから工事が終わったらすべて終了というのではなく、そこからまたセキュリティハウスとしての新しい多種多様な提案もできると思います。セキュリティというものをもっと大きく捉えていろいろな提案を1人のお客様に対し末永くしていくことだと思っています。お客様から、セキュリティハウスはこんなところまで配慮しているといわれるようなきめ細かな仕事をしていくことです。
また、そこから新しいマーケットの広がりもできてくるでしょう。
STOP THE DOROBO
セキュリティハウス・センターでは平成3年7月に、40頁の小冊子「STOP THE DOROBO(ストップ・ザ・泥棒)」を発行したが、これが好評で第二版、第三版と増刷を重ねている。
同社のブレーンに、経験豊富な元刑事がいて、刑事生活の中での実際の体験談を、編集部のスタッフが取材し、泥棒の心理なども含めて、わかりやすく、楽しい読みものにしたもので、イラストも入っている。いわば「泥棒小話」である。
セキュリティハウスでは「泥棒の立場になってシステムを組む」ということが一つのコンセプトになっている。侵入のプロが運ぶ侵入口、手口を研究し、その侵入口、侵入手口を防ぐためにその家庭・店舗に応じたセキュリティシステムを組み上げていく。
この小冊子は、セキュリティのプロであるセキュリティハウスの長年の研究成果の一端であるといえるだろう。
面白いのは、全国の警察から次々に問合せっがあることだ。これほどの「好評」に、同社編集部では、可く警察等の協力を得て「STOP THE DOROBO」第二弾の発行を準備している。