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メディア紹介
2010.04.27 中外日報 『お寺と神社の防犯NOW 動かぬ証拠の動画を録画(3)セキュリティハウス香川
動かぬ証拠の動画を録画
中外日報(平成22年4月27日)「お寺と神社の防犯NOW (3)」(弊社提供連載)
防犯カメラがとらえた賽銭泥の現場
今年の2月5日、香川県東かがわ市の真言宗善通寺派圓光寺。この日の昼下がり、庫裏で所用をこなしていた松原公仁住職は、ふと、室内にあるモニターの画面に目をやった。モニターには、境内の東西南北にある4台の防犯カメラが接続してあって、それぞれの動画が同時に確認できるようになっている。
そのうち1台のカメラが、50代くらいの男性を映していた。客殿の方に向かって歩いていく男性。ああ、お参りに来てくださったんだな。松原住職の気持は思わず和んだ。節分の日の星供会を済ませたばかりでここ数日は慌ただしく、参拝者の姿を目にした途端、穏やかな日常が戻ってきたような気がした。
ところが次の瞬間、松原住職は自分の目を疑った。客殿前の賽銭箱に近付いた男性が、やおら賽銭箱を持ち上げてひっくり返し、それを揺すり始めたからだ。
賽銭泥棒―。松原住職は思った。何年か前も地元の寺で盗難被害が相次いだ。幸い、同寺は10年ほど前から境内に防犯機器を設置するなどして対策を講じてきたため被害はなかった。が、目の前にある光景が賽銭泥棒だということは、疑いようもない。
松原住職は客殿に出掛けて、努めて穏やかな口調で声を掛けた。何をなさっているんですか。住職の問いに男は「お参りに来ただけです」と答え、挙げ句の果てには「金種を調べていた」と言いだす始末。賽銭箱の中の金種を調べ、自分もそれに合わせて賽銭を入れるつもりだったという。
結局、らちがあかず、駆け付けた警察官によって男は連行された。取り調べに賽銭泥棒を否定していた男だが、決定的な証拠を見せられるに及んで観念した。同寺の防犯カメラが一部始終を録画していたからだ。
同寺の防犯カメラはハードディスクタイプの録画機器に接続してあり、撮影した映像を保存するタイプ。保存した動画をCDなど別媒体で持ち出すことも可能で、いざというときには決定的な証拠となりうる。同寺で賽銭泥棒を試みた男は、常習犯だったらしく、その後の捜査で男の車からは、1円玉や5円玉が大量に見つかっている。
僧侶として、男を警察に突き出すような結果を招いて良かったのか。松原住職は事件後も自問しているという。一方、逮捕されなければ男は改心することなく過ちを繰り返していたに違いない、とも思う。
「お寺は個人の所有物ではない。地域や檀家さんの思いを託され受け継がれてきた、守るべき存在です。そんな当たり前の意識が、近年は希薄になっているように思えてなりません」と松原住職は話す。
境内には防犯カメラのほか赤外線センサーなども設置しているが、月々の費用はリースを利用することで1万8千円ほどという。
これを高いと見るか、安いとみるか。「お寺を預かり、そこで生かされている以上、寺を守るのは当然の使命」。仏像盗難などが相次ぐ今日、松原住職の言葉は多くを問いかけている。
圓光寺に防犯システムを納めたのは、高松市のセキュリティハウス香川(有吉徳洋社長∥総合防犯設備士)。(株)セキュリティハウス・センター(京都市)が展開する全国ネットワークの一員で、全国ネットには現在、133社が参加している。